2009年1月19日月曜日

「生き抜く」社会は


 ある37歳の男性が、所持金90円で餓死したという。

 日本は飽食の時代だとか言っていたのは、つい10年くらい前の話ではなかったかしら。生まれ育った国でこんな話を聞くなんて。この男性は失職するまで納税の義務を果たしていたはずで、必要な時に権利を利用しなかったのか。それともできなかったのか?

 帰国後すぐに「年金特別便」という政府からの郵便を受け取った時、「これなに?」社保庁のシステム破綻やずさんさを聞くに至っては、老後を日本で過ごすためにあてこんでいた年金が、とうなるのかあやしい雲行き。

 義務教育段階の子どもにも家計から年間いくばくか(?)出費することがあるという。若い世代でフリーターが社会現象にあり、納税の義務から逃れるらしい。国民一人当たり12000円の定額給付金2兆円の税金は無駄遣い?
 税金に関するニュースを山ほど聞いてみると、楽しみにしていた日本での生活が、人事とは思えないほどに深刻な様子。国民としての義務を果たしても、その正当な利益をもし受けられない社会なら、「生き抜く力」を身につけよ!と子どもに問うのは非現実的なのでは。

 弱い生き物の子どもに、与えられて当然の権利があるはずなのですが、この男性の死はそれを否定しているように思えます。


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