2009年1月10日土曜日

学力って何


 今朝のインターネットで「学力って何?」というニュースを見ました。昨年度末の、新学習指導要領に高校の「英語は英話で」に続き、小学5・6年生の英語必須化について論議されています。日本の英語教育は一体、どうなってしまったの?

 昨年7月に帰国してすぐ、東京の海外子女教育振興財団に関わる帰国おばさんの友人を介して、これもアメリカから帰国された後、ある都市の英語教育に助力し、市会議員に至った女性を紹介してもらいました。その方と日本の教育、特に英語について話し合いましたが、彼女が関わった某市の英語幼児プログラムも、彼女が身を引いた後は活動が縮小してしまったと言います。彼女は、その原因に思い至らないようでした。この例が、今の日本の英語教育問題点なのかしら、と感じます。
  数年前まで、日本からの生徒を受け入れている高校で、ESLコースのデレクターをしていた夫の知人とともに、UCLAのExtensionでクラスを公開していました。そのクラスで、日本の小学校の先生達に英語の指導法を講義しました。その中で、幼児段階の言葉の発達は、日本語のように英語も、日々、その言語に触れることから成り立つ(Stephan Krashen, Natural Approach Method)と習います。そのいい例が我が家の子ども達で、アメリカで育った環境の中でも、いわゆる日・英のバイリンガルになりえた経験から証明できます。
 我が家の子ども達と日本の子ども達の、外国語習得の実態を比較してみましょう。娘達は全員、家庭を別にすれば日本語環境がまったくない中で生まれ育ちましたから、今の日本の子ども達の逆バージョンです。そのことを頭において、イメージしてください。二つの簡単な比較でも分かってもらえるだろうと思いますが、学習にかける時間数や指導力がしっかりしてはじめて、外国語習得が達成されるのです。
<学校>
松本:週1回の年間54日で約180時間、日本語補習校で日本の授業を受講。宿題や課題が出され、1日1時間ほどの家庭学習を含む。
日本:総合的学習の時間110時間のうち30時間、宿題や課題の有無は?
<継続学習> 
松本:補習校へ小学校1年から中学2年までの8年間通学。
日本:中学英語教育へ 
<家庭内>
松本:日本語ネイティブの両親との会話、読み聞かせ、読書、音楽、テレビやDVD鑑賞など
日本の子ども達:英語塾や家庭教師、CDやDVD鑑賞、その他 

  日本の英語教育についていつも疑問に思うのが、子ども達がどのレベルの英語を習得するのを目標としているか、ということ。小学校から最高学府で学ぶのが当たり前のように考えられる日本で、まさか幼児レベルの英会話ができることを、英語教育として指導されているはずはないですよね。幼児がしゃべれるようになれば、当然、その先の学習の読み・書きが主体となり、また、それを基礎としてあらゆる分野の能力を磨くために学校はあるはずなのですから。

  あちらこちらと、教育を授ける側と受ける側のあやうさが気になります。 

 

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