2009年1月12日月曜日

成人の日


 1月11日は関西では本えびす。「商売繁盛で、笹もってこい!」の日ですが、今日は全国的に「成人の日」だったんですね。

 成人の日ってどんな意味があるのでしょう。私は子どもが親(家庭)からの独立、社会人になる日のように考えています。
 日本の法的成人年齢は20歳です。選抜されてアメリカへも来ていたので、私でも知っている「ハンカチ王子(斎藤君)」がいろいろな飲酒を試したい、と答えたようです。体育会系ですから、法的に許される年齢でなくても、先輩達から無理やり飲まされたことがあるのでは。

 ところで、アメリカでは「成人」というはっきりとした言葉がありません。州によっては多少違いはありますが、18歳までが義務教育期間と制定されているため、その間の子どもの全ての生活や教育などは、親はもちろん国や州、地方自治体に依ります。そして、刑事罰は18歳以上になると適応され、斎藤君の言うようなお酒、タバコなどは21歳からです。
 18歳から21歳までの期間が、親子による完全な独立へ向けての猶予期間とでも言いましょうか。最初の試練(?)は、義務教育期間が終わることで、社会へ出るのか勉強を続けるのかを決めることから始まります。この時、家庭によっては義務は果たしたと考え、子どもを家から出して独立させる親もあれば、勉強を続けるためにかかる費用を親が貸与したり、子ども名義で低金利の育英ローンを組ませるという人もいます。このとき、親は社会人として子どもに対応しますから、親子関係というよりローンの窓口係りを相手にしているような感じで、子どもも交渉します。もちろん、日本のように全て親がかりというケースもあります。子どもにとってこれが一番楽なように見受けられますが、そう考えるのは考え方の違いかもしれません。難しく言えば、西欧の「個人主義」教育が、子どもを幼児期のような早い時期から、成人させるためのシステムとして出来ているからです。(「個人主義」についてはまた別の機会に。)
 子ども達が21歳になると、経済面で「独立」するシステム、例えば授業料の優遇措置、自動車保険や健康保険の扶養などが適応されなくなります。経済面ばかりでなく、アパートを借りるにしても、親ではなく子どもとの賃貸契約となり、保証人を立てなければなりません。支払いが遅かったり、滞納したりすると、個人のクレジット(交通違反などのポイントのようなもの)経歴として記録されていきます。この記録が個人の経済的な、また、社会的な信用度を図るためのデータとなり、一生ついてまわります。アメリカで「若い時の失敗の一つや二つ」といった感覚でいると、とても危険な社会だと言えます。子どもの行動や考え方を信じるほかありません。それは、そう信じられる子どもに育てられたのかどうかという、親自身が自分の姿勢を問うことになります。
 
 社会が子どもの成人を促してはいますが、家庭でその足がかりとなるように育てられているでしょうか。精神的にも経済的にも、子どもの独立に関しては洋の東西を問わず大きな課題です。いつかは親の手から送り出す子ども達にとって、同世代の人たちとともに、学びあい助け合いながら独立していける日本社会であることを、願うばかりです。


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