2009年1月11日日曜日

海外駐在経験


 海外駐在経験者にもいろいろな方がいますね。

 先日、ある仕事のついでに、帰国のお母さん達で作っていらっしゃる会のミーティングへ参加させてもらいました。その会の代表をされている方から、ニューヨークに2年間駐在経験があるというお母さんを紹介されました。どうやらそのお母さんは、海外へ派遣される予定の教育関係者対象の説明会で講演するのだとか。説明会の中で、「海外ではどのような事に注意」しなければいけないかがあると言います。そのアドバイスを私に求められたのでしょう。

 どの国にもその歴史的背景があって国が成り立っています。アメリカに住んでいろいろ学びましたが、その中でも日本とまったく違う点は、所得の格差による住み分けが大変厳しいことです。特にアメリカの郊外、ニューヨークの日本人学校所在地付近ではそれが顕著です。
 何年か前に校舎を購入する際、外国資本に買収されることでずい分話題になったのです。ジョージ・ブッシュ(先代)大統領婦人バーバラさんが卒業された由緒ある学校で、建物自体も"Historical Landmark"。しかも、アメリカで初めての女学校でもありました。アメリカの歴史に深いかかわりのある学校。Landmarkというくらいですから、それはアメリカ人の誇りなのです。
 日本人学校へ通わせていた保護者なら、お子さんの学校のことですから知っていていいはずでしたが、その方は知らなかったのです。海外駐在経験者の話や回答はヒントにはなりえますが、その人個人の体験談でしかありません。滞米30年の私が言うのですから、真実味があると思いませんか?

 「海外ではどのような事に注意」という質問にたいして一つ言えるとすれば。その逆の立場になって考えさせ、参加者全員からどんな回答がなされるか聞いてみればいいのです。それが、その人達の回答となりえるかもしれないからです。そして、日本の教育を通して、世界の歴史を学んでいるのですからその国の背景、たとえば宗教上の問題や経済紛争など、おおざっぱにでも学んでおくことです。
 机上で学んだ事柄を海外滞在中に実体験するのは、何も子ども達だけとは限らないはず。学校やいろんなメディアで見聞きした経験は、子ども以上にあるのですから。

 もし、最近の帰国生から魅力を感じなくなったとすれば、その子ども達を伴った親はその比ではないのでは、と心配になりました。

 

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