2008年10月4日土曜日

モンスター・ペアレント


 最近、家でパソコンほど活用している機械はないでしょう。アメリカにいながら、インターネットで日本のニュースを読むことができます。いろんな記事を読んでいますと、ハテナと思わせる言葉を見ること度々です。その一つに「Monster Parent(モンスター・ペアレント)」があります。

 意味を聞くと、家庭でやるべきことを、何でもかんでも学校へ持ち込んでしまう、いわゆる「困ったママ達」のことだそうですね。ある私立幼稚園の先生が挙げた、「子どもに朝ごはんを食べさせられないから、お金は出しますから、朝ご飯を買って食べさせて」と要望(要求?)されたという話が、いい例でしょうか。
 私にすれば、そんな話は、何も最近始まったことではないような気がします。数年前、LAに英語研修で来られた50才になる先生から聞いた、「日本は、児童が学校外で事故に遭っても、親より先に担任へ連絡すんですよ」というのには、驚かされました。それは、夜であろうとまったく時間に関係なく、先生方が親へ連絡を取り、病院へ駆けつけ、事故の処理にまで手を貸すと言うのですから、何か根本的なことが違っていないか?と、人事とは思えませんでしたね。 私も子を持つ親ですから、子どもが事故にあっているのにもかかわらず、先生とはいえ他人が自分より先に駆けつけるなんてことは、逆にさせてはいけないことでしょう。

 アメリカでは、学校の先生は授業が始まる前にクラスのドアの鍵を開け、一日の授業が終わったら、さっさと鍵を閉めて、そのまま帰宅します。家に帰れば、ご自分の家庭の生活があり、またその上に、次の日の授業の準備があるのですから、何時までも学校に居残っていません。学校内でのトラブルさえも、直接担任の先生が関与することはなく、その役目は校長先生が引き受けてくれます。親も子どもに関する要望やトラブルを相談するのは、先生へも相談しますが、解決できないときは学校長に解決してもらいます。それでも駄目なときは、児童カウンセラーや教育委員会などといった専門家へ問題を持ち込みます。「餅屋は餅屋」。それでも、基本的に、家庭で解決できることかどうか、親がまず考えます。家庭の問題なのか、専門家へゆだねるべきかといった、問題を解決するのに適した人材や窓口を選別します。

 アメリカの教育がいいから、アメリカのまねをしようというのではありません。学校の先生とは生来、学業・学問を教えるプロであって、あなたの代わりに責任を持って子育てしてくれる里親ではない、ということです。
 物は考えよう。良識で考えれば、何が間違っているか意見できるはずです。意見を言うも聞くも、やはり子どもの頃からの教育でしょうね。でも、モンスター・ペアレントに育てられた子ども達は、誰をモデルにして良識を身につければいいのでしょうか。それもやっぱり、先生の仕事?


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